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Vol.43

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      R E I C マ ガ ジ ン  Vol.43       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2015.4.1━━━━━
[1] REICニュース
   1. 第14回REIC防災セミナーを開催します
   2. 第3回国連防災世界会議開催報告
   3. 緊急地震速報の技術的改善に伴う配信電文フォーマット公表
[2] 会員トピック
   『先端技術の研究開発に関するボヤキ』
    東京大学地震研究所 教授 堀 宗朗 氏
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[1] R E I C ニ ュ ー ス
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◆ 1. 第14回REIC防災セミナーを開催します。 
「水蒸気噴火の予測の難しさ 御嶽山を例に」
  講師:山中 佳子 氏(名古屋大学准教授)
  日時:平成27年4月17日(金)17:30~19:00
  会場:地震予知総合研究振興会 会議室

定員30名(先着順)、参加費はREIC 1会員あたり2名まで無料、会員3名様
以上および非会員は1名2,000円です。満員になり次第〆切らせて頂きます。
参加申込方法など詳細はこちら

◆ 2. 第3回国連防災世界会議開催報告
~『緊急津波避難情報システム』の成果が発表されました~

3月13日~18日仙台市で第3回国連防災世界会議開催され、外国からの
参加を含め延べ約16万人が来場しました。
この中でREICが取組んでいる『緊急津波避難情報システム』(一般社団法人
東北地域づくり協会の支援研究「緊急津波避難情報システムの実証的研究」
《統括:東北大学災害科学国際研究所所長 今村文彦教授》で開発)の成果を
パブリックフォーラム「重層的な津波対策の展開シンポジウム」と「被災地と
ともに考える防災展」で紹介しました。
詳細はこちら

◆ 3. 緊急地震速報の技術的改善に伴う配信電文フォーマットが
   気象庁より公表されました。
詳細はこちら
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[2] 会員トピック
『先端技術の研究開発に関するボヤキ』
    東京大学地震研究所 教授 堀 宗朗 氏
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生命科学・材料科学・情報科学.30年前には全く想像もできないような
研究分野が,産業と結び大きな進展を遂げている.文字通り,社会で喧伝
される研究成果も枚挙にとまない.若年の研究者・技術者も多く明るい
未来が感じられるようである.

翻って,地震工学や地震学の分野では,少なくとも3つの新分野と直結する
ような先端技術の研究開発は盛んとは言えない.この状況の中で,著者の
グループがユニークとされるのであれば,情報科学の一分野である計算科学・
計算機科学での研究開発を進めている点であろう.世界第4位とはいえ,
「京」計算機の性能を引き出すプログラム開発とその応用は,手前味噌も
あるが,一定の評価を受けているように思われる.

具体的な研究開発の対象は,超大規模高速の有限要素法と,統合地震シミュ
レーションである.有限要素法は1兆自由度の非線形動的計算を可能としつつ
あり,規模と速度は掛け値なしで世界一である.統合地震シミュレーションは
都市全体の地震の災害・被害・対応の全過程を計算するもので,データや解析
手法等のさまざまな計算コンポーネントを組み合わせる全く新しいシミュレー
ションである.

現時点で,1兆自由度の有限要素法や統合シミュレーションが,社会の役に立つ
と言うことはできない.正直,可能性があるという段階であろう.しかし,
これは先端技術の研究開発の宿命である.前述の3分野でも,可能性の段階の
技術が一番話題になるようにも思われる.可能性だからこそ,優秀な研究者の
卵が吸い寄せられるのかもしれない.

新しい科学技術分野が勃興する今日,従来の科学技術分野を目指す研究者の
質と量は相対的に減らざるをえない.著者の私見であるが,質と量の低下は
穏やかではなく,むしろ暴力的と言ってよいほど急激であるように見受けられる.
新分野と伍すという無謀な挑戦を止めるわけにはいかず,捲土重来,臥薪嘗胆,
起死回生を胸に,計算機科学・計算科学の分野での研究開発を進めている.
これはこれで,なかなか辛いのですよ.
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