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Vol.44

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      R E I C マ ガ ジ ン  Vol.44       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2015.5.1━━━━━
死者6000人超。日を追うごとに犠牲者が増えるネパール大地震。
赤レンガやブロックを組み合わせただけの耐震性のない建物の倒壊が惨事を
招いたとの指摘が連日流れていますが・・・
さて、地震大国日本はどうでしょう。住宅の耐震化率は平均で79%(平成20
年国交省調べ)、小中学校73%(同22年文科省調べ)、病院56%(同21年
厚労省調べ)防災拠点となる公共施設等71%(同22年消防庁調べ)にとどまり、
耐震化という面を見ても「災害への脆弱性」という課題を抱えています。
阪神・淡路大震災、東日本大震災で多くの人命が奪われ、想定される首都直下
地震で最悪の場合2万3千人、南海トラフ地震で32万3千人という被害想定
も出ています。ネパール地震は、「対岸の災害」ではないように思われます。

━━━ INDEX ━━━
[1] REICニュース
   REIC防災セミナーのご案内
[2] 会員トピック
   『国立研究開発法人への移行』
     防災科学技術研究所理事長 岡田義光氏
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[1] R E I C ニ ュ ー ス
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◆ REIC防災セミナーのご案内
 ・第14回を開催しました。
     講演要旨はこちら 
 
 ・次回は、平成27年6月16日(火)日本財団ビル(東京都港区赤坂)にて
   東京大学地震研究所 教授 古村孝志氏による
   『南海トラフ巨大地震ー見えてきた震源像』を予定しています。
   詳細はおってお知らせします。 
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[2] 会員トピック
   『国立研究開発法人への移行』
    防災科学技術研究所理事長 岡田義光氏
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 2015年4月1日,防災科学技術研究所は独立行政法人から国立研究開発法人
へと移行しました。独立行政法人の定義が「公共上の見地から確実に実施する
ことが必要な事業のうち,国が自ら実施する必要はないが,民間に主体的に委
ねると実施されない事業を効率的かつ効果的に行う組織」であったのに対し,
国立研究開発法人は「我が国における科学技術の水準の向上を通じた国民経済
の健全な発展その他の公益に資するため,研究開発の最大限の成果を確保する
ことを目的とする独立行政法人」と定義されています。一言でいうと,「効率の
最大化」を第一とする組織から「成果の最大化」を第一とする組織に変わった
わけですが,現実的には何も大きく変わっていません。

 さて,当研究所には我が国または世界におけるナンバーワン,オンリーワン
の施設や設備が数多くあります。
 地震分野では,全国的な陸上地震観測網(Hi-net,F-net,K-NET,KiK-net)
に加え,房総沖から北海道沖にかけて日本海溝海底地震・津波観測網(S-net)
を整備中です。また,兵庫県三木市にある実大三次元震動破壊実験施設(E-デ
ィフェンス)は,ギネスにも登録された文字通り世界最大の耐震実験施設です。
さらに,火山分野では,我が国の主要な活火山を対象とした基盤的火山観測網
(V-net)の建設も着々と進められています。
 一方,気象災害の分野では,ゲリラ豪雨などを的確にキャッチできるマルチ
パラメータレーダが当研究所で開発され,その成果は国土交通省の現業に
「XRAIN」として技術移転されたほか,つくばには1時間あたり300mmまでの豪
雨を再現できる世界最大の大型降雨実験施設があり,斜面崩壊の研究などに活
用されています。また,季節を問わず雪崩や地吹雪,着雪などの試験を行える
雪氷防災実験施設が山形県新庄市にあり,その成果も含めて開発された「雪氷
災害発生予測システム」は,現在ほぼ実用化のレベルに到達しています。
 このほか,社会防災分野では,「地震動予測地図」をはじめ,「津波予測地図」
や「地すべり地形分布図」などの情報提供サービスに加え,当研究所発のウェブ
GISシステム「eコミュニティ・プラットフォーム」の知名度が高まり,これ
を応用した防災システムが様々な地方自治体や各種市民団体などに浸透しつつ
あります。

 以上のような施設・設備・ツール群を活用し,当研究所は「災害に強い社会
の実現」をめざして,今後も更なる基礎研究や技術開発,そして成果の社会へ
の還元に努めていく所存です。関係の皆さま方には,どうぞ温かいご支援と
ご指導をお願い致します。

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