特定非営利活動法人 リアルタイム地震・防災情報利用協議会

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                            平成24年7月2日 Vol.10
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  「節電の夏」が始まりました。
  緑濃く枝葉を広げた木々を通りぬける、一瞬の涼風に
  今年も何度となくお世話になりそうです。
  無理をせず少しでも快適に過ごす工夫をしたいですね。
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・ 特集① ………… REIC片山会長がシリーズでお届けする
              かたやま通信-No.10 『園遊会に招かれて』

・ 会員トピック …… 『地震津波情報配信システムの取り組み』 
               ~ エイシンシステム株式会社 ~

・ 特集② ………… REIC 3.11 ~風の便り~ Vol.8

・ REICニュース … 本年度の定時総会・関連行事を開催しました!

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■ 特集 ①  かたやま通信-No.10 『園遊会に招かれて』
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 もう2年以上も前のことだ。陛下からある賞をいただいた。その
おかげで、昨年の秋の園遊会に招待された。津波災害のために、
春の園遊会は中止となっていた。実は、ここまでのことは、とくに
何ということはない。つくばにある国の研究機関と独立行政法人の
長を合わせて10年間務めたことに対する、「ご苦労さま」という
授賞であり招待である。話は、この先である。

 ちょうど、女子のサッカーチームがワールドカップをとって
帰って来た直後でもあり、澤 穂希さんが和服で来ていてとても
かわいかった。陛下と話をする人たちは初めから決まっていて、
陛下がお通りになる順路の前の方にいる。昨年の園遊会では、
澤さんはそんな人の中でもとりわけ目立つスターだった。これも、
考えてみればごくごく当たり前のことで、話はさらに先にある。

 園遊会は赤坂御苑で開催される。広い御苑内の芝生のあちこちに
テントが張られ、飲み物や食べ物が供されている。(灰皿まで置いて
あったのには、ちょっと驚いた。)当日は、さいわい良いお天気だった
が、私の腰は不調だった。お肉が焼けるおいしそうな匂いに生唾は
出るのだが、行列に並ぶ元気がなかった。そのとき、「片山先生」と
声をかけてきた大柄な男がいた。東大ラグビー部の私より7、8年後輩
である。「座っていてください。私が持ってきてあげますから」と、
かれは飲み物や食べ物を替わりばんこに運んできてくれた。
そんななかでも、とくにおいしかったのは、御用牧場のマトンの
焼き肉である。陛下は、世界各国の賓客をおもてなしになる。牛や
豚だと宗教上問題になるお客様がいるので、御用牧場では羊を育てて
いるのだ。さて、この話には、さらに先がある。

 この後輩は、最高裁判所の現役の判事なのだ。15人しかおらず、
×印か白票による国民審判を受けることをご存知の方は多いだろう。
園遊会に招かれた人はたくさんいても、最高裁の現役判事に御給仕を
してもらったのは私たち夫婦だけだろう。かれは、つい数年前までは、
夏の合宿に行くと、ジャージーに着替えて、短い時間だがOBの試合に
出ていたし、今でも東大の試合をいちばんよく見に来るOBの一人だ。

 この間、ラグビー部の納会の流れの席で数人のOBとこのことを話して
いたら、「澤 穂希って色っぽいね」という結論に達してしまった。
何年たっても、成長しない人間の集まりである。

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■ 会員トピック  『 地震津波情報配信システムの取り組み』
             ~ エイシンシステム株式会社 ~
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私共エイシンシステム株式会社では、緊急地震速報、オンサイト地震計
を利用した地震計測・警報システム等、防災に関するあらゆる
ニーズに対応したソフトウエア開発を行っております。

3.11東日本大震災では、津波により東北太平洋沿岸地域に
甚大な被害をもたらしたことを受け、津波被害に対する関心が高まっています。
しかしながら、いざ津波が発生した時どこに避難したら良いかわからない、
という声も少なからず耳にします。
このような声に応えるべく、この度REICと共同で津波避難支援システムの
開発をさせていただきました。
このシステムは、気象庁から発報される津波注意報・警報を受信し、
対象地区の予測津波高さに応じて適切な避難場所を利用者に知らせるものです。
利用者は携帯電話やスマートフォンのメールアドレスをシステムに登録するだけで、
津波発生前にどこに避難したら良いかを知ることができます。
また、システムから送信される安否確認メールに返信することで、
避難完了情報を現場の管理者や家族などに転送することができます。
この機能により誰がまだ避難できていないかを即時把握することができるので、
安否確認を効率よく行うことができます。

津波避難支援システム以外の取り組みとして、
消防研究センター座間先生のご協力の下、緊急地震速報の震源情報から
対象地域の振動特性を予測計算するシステムを開発いたしました。
弊社ではこのロジックを使って、浮き屋根型石油タンクのスロッシング(液面揺動)
波高を計算し、石油タンクの被害予測に役立てるシステムを開発しました。
このシステムでは、地震発生時の石油タンクのスロッシング波高、
溢流危険度をタンク毎に順位付けすることにより、被災状況の点検を
迅速に行うことができます。このシステムを応用して、石油タンクだけでなく
様々な構造物に対する地震の影響度を評価することが可能となります。

気象庁による緊急地震速報の一般運用が開始されてから5年になろう
としています。テレビや携帯電話などで流れるサイン音は一般にも
充分浸透してきました。
反面、
「震度がわかってもどうしたらよいかわからない」、
「緊急地震速報自体に慣れてしまい、いざという時情報を有効利用できるか」、
といった問題も出てきているように思います。
これからの情報配信のあり方について、ただ数値情報を配信するだけでなく、
利用者個人の行動を直接指示・支援できるような情報配信システムが
求められているのではないかと考えております。
弊社ではこれまで蓄積したノウハウを生かし、みなさまにとって
有益なシステムを今後も開発してまいります。

エイシンシステム株式会社 http://www.eisinsystem.com

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■ 特集 ②  REIC 3.11 ~風の便り~ Vol.8
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REIC水井です。
今回は、仮設住宅での話題と支援活動の実情について話をいたします。

 平成23年秋ごろの立ち上げ時から関わっている「七隈っ隊」(福岡大学
OBの方々が中心のボランティア団体)と一緒に、宮城県東松島市
鳴瀬地区の某仮設住宅の方々と親密にさせていただいています。
正月明けの「餅つき」や仮設住宅住民が利用する「畑の開墾」、
漁師さん達の「ワカメ漁」「牡蠣の種付け」支援などを行ってきました。
東松島市鳴瀬地区の場所:http://goo.gl/maps/Q1Ad

 その活動の中で、当然ながら夜はお酒を呑むわけですが、そこで
話される内容は行政やマスコミでは語られない実話が出てきます。
 取材には来るがTVなどでは視聴率が取れないため放送されない
小さな町や小浜の甚大な被害について。詳細な情報流通がなされない
ことによる、被災地現地で求めている内容と遠隔地から支援に入り
たがっている人たちの活動の微妙な食い違い。さまざまな地域の人が
突発的に集められた仮設住宅の共同管理運営の難しさ。数年後の
退去時に生活再建のめどが立たないと言う不安。一部被災者の
パチンコ依存問題。などなど。
 当然、津波で家族が何人も亡くなられたと言う話も多く出てきますが、
それに関してはお互いにどうすることもできないことはわかっていますし、
ただただ外来者の我々は聞くのみです。

 上記の問題を解決できる手段なのかどうかはまだわかりませんが、
各自治体、宮城県社会福祉協議会と連携して、仮設住宅住民を
対象に巡回・訪問して聞き取った生活情報をデータベース化し、
今現在と今後の生活ケアに役立てる試みを行っています。
 また、そこで生活している方々自身から直接社会に情報発信して
もらえるようにIT系の技術・情報支援も行っています。たとえば、
ホームページやブログ作成支援やSNSを利用した遠隔地との
意見交換などです。

 今後は、これらのデータベース作成やIT技術利活用の中にからめて、
地震観測情報をうまく融合・発信できないかを検証して行きたいと
考えています。
 「緊急地震速報」や「強震観測データ(K-NET、KiK-net)」、当協議会が
先日公開実験を行なった「緊急津波避難情報システム」、その後
いろいろと出される被害情報などの組み合わせです。
 今回は、すでに災害が起こってしまった東北沿岸部にて現状の
活用方法を考えていますが、そのままこの仕組みは、今後大規模
地震の発生が懸念される地域でも応用できるはずです。
言い換えれば、今回の東日本大震災にて役に立たない(結果的に
役に立たなかった?)仕組みは、おそらく次の災害が発生した時にも
役に立たないと思います。

 IT技術の利活用方法と、その時その場でそこにいる人に役立つ
情報の組み合わせを検証することに興味ある方がいらっしゃれば、
まずは現在進行形の東北の現地で相互協力していきたいですね。

 なお、現地からの情報発信である、第2回「復興ハングアウト」を
6月20日に実施しました。宮城県気仙沼市の復興商店街がテーマでした。
番組を視聴する場合は、下記の「復興ハングアウト」のページから
可能となります。(東北被災地の現地情報も随時UPしています)
URL: https://plus.google.com/117994033388936375907/posts
ご意見はreic-hangout@googlegroups.com 宛にお送りいただければ
幸いです。

 次回は、仮設住宅住民を対象とした生活支援情報データベース作成と
利用、その問題についてもう少しご紹介したいと思います~。(‘_’)/

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■ REICニュース
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○本年度の定時総会・関連行事を開催しました!

6月5日、日本財団ビルにおいて平成24年度定時総会を開催し、
下記の議案が原案のとおり承認されました。
・第1号議案 平成23年度事業報告及び収支決算承認の件
・第2号議案 平成24年度事業計画及び収支予算承認の件
正会員の皆様におかれましては、お忙しい中、ご協力いただき、
ありがとうございました。

総会の後、同会場で「3.11津波の教訓と緊急津波避難システムの
開発」という題目で講演会を開催しました。

講演会は、東北大学の今村文彦教授による同タイトルのビデオ
レターによる講演で始まり、その後、REICの大保専務理事による
同システムの解説、及びデモンストレーションを行いました。

先だって5月14日に宮城県名取市のがれき処理現場で実施
された社会実験には、多くの報道関係者が集まり、社会的に
大きな関心をよんでいることが報告されました。

続いて、同じ階で会場を移してビジネス交流会を開催しました。
本交流会には、24社・団体、40名が参加し、大変盛況なものと
なりました。会の中盤には、1社・団体1分程度の説明をして
いただき、活発な交流のきっかけにもなったようです。

今後も、このような会員相互の交流の機会を用意させて
いただきたいと思います。
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