特定非営利活動法人 リアルタイム地震・防災情報利用協議会

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                             平成24年3月1日 Vol.6
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2050年宇宙の旅はエレベータで!という夢のような記事を目にしました。
SFの世界に近づく日が来そうです。期待しましょう!

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・特集①…………当協議会片山会長がシリーズでお届けする
           かたやま通信-No.6 『人生の想定外、科学の想定外』
・会員トピック……日本酸素株式会社 『クルグラット 』
・特集②…………REIC 3.11 ~風の便り~ Vol.5
・REICニュース…REICからのお知らせなど

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■ 特集①  かたやま通信-No.6 『人生の想定外、科学の想定外』
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 人生と言おうか、自分が生きている間にと言おうか、私たちはさまざまな
想定外の出来事に出会う。私たち家族4人は、戦争中、父だけを東京に
残して、山口県の防府市に疎開した。防府市といってもご存知ない方が
多かったろうが、2年ほど前、大雨による土石流が老人ホームを直撃して、
何人もの犠牲者を出したことで、一躍有名になってしまった。

 疎開してすぐは、大きな都市からは離れているし、十分に安全なところと
考えていたのだろう。ところが、戦争も末期になると、地方の小都市といえ
ども、安全とは言えなくなってきた。そんなふうに感じた母は、遠い親せきの
いるもっと山あいへ移り住んだ方が良いと思ったようだ。そこを訪ねて行っ
た日が1945年8月15日。夕方、疲労困憊して帰って来たときには、再疎開は
必要なくなっていた。

 乳がんの手術をした義母は、予後の放射線照射のため一カ月に一回
ぐらい病院に通っていた。1年ほど経って、「もう、大丈夫ですよ」と言われた
同じ月の終わりに交通事故で亡くなった。目撃者の話では、青信号で
交叉点を渡っているところに突っ込んできた、免許取りたての若者の
自動車にはねられたのである。すぐ病院に搬送されたが、その夜に亡くなった。

 このような想定外、突然の出来事とそれらに伴う喜怒哀楽は誰しも経験
しているが、科学の世界でも想定外はある。東日本大震災の4日前に東電が
経産省に提出した試算結果では、原発設計時に想定した値の2倍に達する
津波高が予想されていたという報道があった。メディアの多くは、「このような
試算の存在が早い時期に知られていれば、震災前に対策が取られていた
可能性もある」と、当たり障りのない言葉で締めくくっている。

 津波の前日3月10日、気象庁は、津波防災シンポジウム「津波警報!!
そのときあなたは?」を主催した。1960年チリ地震津波から半世紀、前年の
チリ地震津波から約1年経ったことを記念して、津波予測技術の現状、津波
警報発表のシステム、いざというときに命を守るための避難の方法などに
ついて、専門家の講演、話題提供、パネルディスカッションが行われた。
私は出席していないが、気象庁も防災の専門家も津波災害に注目していたのだ。

 あれだけの巨大地震の発生場所が予測できなかったことに疑問は感じて
いるし、原発事故に対する東電の責任を擁護する気はない。しかし、何が
どれ位早い時期に分かっていたら、どのように有効な対策が取れたかとなると、
メディアの論調はまったく具体性を欠く。原発事故はまだ収束していない。
避難を余儀なくされているたくさんの方々がおられる中でこのようなことを書くのは
不謹慎かもしれない。だが、想定外の事柄は人生におけるばかりでなく、
科学の世界でも起こることは認めざるを得ない。大切なのは、個人も政府も、
「想定外に備えること」である。

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■ 会員トピック   日本酸素株式会社 『 クルグラット 』
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 3.11から1年近くが経過しております。
昨今では、緊急地震速報だけではなく、直下型の地震計との複合の要望も
増えてきております。

 楽天の本拠地のKスタ宮城では、昨年の試合中に審判が試合を緊急地震
速報により中断しました。腕時計式の受信機による速報の報知で、主審の
判断によるものです。テレビでも詳しく紹介されましたが、このシステムは
弊社の緊急地震速報と現地地震計との複合システムで、今後も各スタジアムに
導入が進む模様です。

 また、大手の製薬会社様の研究所や工場でも、震災のマニュアルが見直され、
緊急地震速報による避難を行った後、実際の現地の揺れを地震計で
計測、記録した揺れの程度で点検範囲を決定する方式が採用されました。
一方、建築関連の方からは、長周期地震動の対策が多く話題となります。

 私共では、既に緊急地震速報の震源情報を用いて、長周期地震動を
予測するシステムを導入しておりました。
3.11の際も、都内の高層ビルの案件で、マグニチュードは過小でしたが、
長周期成分での建物の応答が大きくなると判定して、実際に館内放送や
エレベータの事前停止を実施できた事例がありました。
オフィスビルや高層マンションでの対策としての期待が高まっております。

 最後に、当社では、震災対策用のグッズも併せて販売しております。
地震に強いLPガスによる非常用発電システムや、充電式のLED照明、
飲料水の浄化装置等、話題の商品をご提供しております。

お問合せ:日本酸素株式会社 http://nihonsanso.co.jp
  tel : 03-5850-5771(角田)  e-mail : info@nihonsanso.co.jp

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このコーナーでは、毎回、正会員様の企業・団体紹介や企業広告を掲載します。
掲載内容を募集しておりますので、掲載をご希望の正会員様は、
reic_magazine@reic.or.jp までお申込みください。
(※ご希望者多数の場合は、申込先着順に掲載させていただきます。)

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■ 特集②  REIC 3.11 ~風の便り~ Vol.5
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REIC水井です。
今回は、臨時災害FM局での地震情報支援活動をご紹介します。

 臨時災害FM局(臨時災害放送局)とは、「臨時かつ一時の目的のための放送」
のうち、「災害が発生した場合に、その被害を軽減するために役立つこと」を
目的とする放送局だそうです。
 今回REICでは、地震に関する情報について、装置を設置した場所の人員
だけでなく、周辺地域に対してもどのように伝えるべきなのかを考えました。
その結果、対象の1つとして、地元に根ざした活動をされている「身近なメディア」
である臨時災害FM局を支援することにしました。

 現地では、REIC「緊急地震速報」と防災科研「強震モニタ(KiK-net)」を
同時に表示する受信端末を無償で設置し、頻繁に発生する余震に対して
利用していただいております。
これら2つのアプリを同時に見ることで、大きな揺れが到達する前に
「緊急地震速報」の予測情報にて警告を発し、同時に「強震モニタ」により
実際の揺れ情報を把握することができます。
また「強震モニタ」では揺れが通り過ぎたことも確認できるため、地震の
終息を判断することも可能になります。

 2月現在のところ、宮城県気仙沼市、石巻市、亘理町、山元町、福島県
南相馬市の5箇所の臨時災害FM局で稼動しております。
 しばらくの間、「情報発信の場」として、また、身近でお互いに顔が見える
「地域情報共有の場」としての地元の「臨時災害FM局」が、地震情報を
どのように取り扱うべきなのかを各局とREICで協力して検証を行なって行きます。
(強震モニタ:http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/)

 余談ですが、先月、南三陸町の方から次のような話を聞きました。
若い人たちは自前の音楽プレーヤーを利用している者が多く、車内で
カーラジオを聴く人が以前に比べて減少しており、乗車中の情報入手が
ほとんどできなかったそうです。そのため、地震後もラジオを聴くことを
思いつかず、津波が来ることを知らずに車ごと流された方も多くいたそうです。
 地元のラジオが生活の中でもっと親しまれて、今までよりもラジオを聴く
機会が自然と増えれば良いなと思っています。

 今回の話題では、「臨時災害FM局」にて、余震に対する「直前」「直後」と
「事後(終息情報)」の「地震に関する情報」の利活用を実践・検証して
いることになります。

情報の利活用イメージ:
http://kizuna-dantai311.ecom-plat.jp/fbox.php?eid=11213

 次回は、3月11日で発災から1年を迎える被災地の状況をご紹介
したいと思います~。(‘_’)/

REIC_3.11の活動
(ややページが重いため、表示されるまでゆっくりお待ちください)
http://kizuna-dantai311.ecom-plat.jp/user.php?uid=1066

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■ R E I C ニ ュ ー ス
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○第11回国土セイフティネットシンポジウムおよびREICブース出展の報告
 (2月2日、3日開催)

第16回震災対策技術展(パシフィコ横浜)において、第11回国土セイフティ
ネットシンポジウムを開催、185名の方が参加されました。
また、展示会場のREICブースでは東日本大震災の被災地支援活動を
中心に紹介しました。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。

詳細はこちら
http://www.real-time.jp/pdf/120202_symposium_report.pdf


○茨城県潮来市ワークショップ(2月9日開催)の報告

「東日本大震災における災害対応から学ぶ~震災経験の整理~」を
開催しました。大規模災害に備え、今回の震災経験を振り返り、災害対応の
整理と優先度についての検討が目的です。

詳細はこちら
http://www.real-time.jp/pdf/120209_itakoworkshop_report.pdf

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※REICへの入会案内はこちら http://www.real-time.jp/gaiyou/join.html

※本メールに関するご意見・ご感想・情報提供、登録アドレスの
 追加・変更・配信停止はこちらまで reic_magazine@reic.or.jp
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【REICマガジン】
発行日:月1回・毎月上旬発行(休刊:GW、年末年始など)
発行開始月:2011年10月

【発行元】〒160-0016 東京都新宿区信濃町11-3 AK信濃町ビル2F
特定非営利活動法人リアルタイム地震情報利用協議会 事務局
TEL:03-5366-2720 FAX:03-5366-2740 HP: http://www.real-time.jp
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